昨日の日経新聞17面の「一目均衡」の中で、王子製紙の北越製紙TOB失敗について触れていた。
王子の失敗は、三菱商事、日本製紙Gの株取得が原因とされてきたが、見過ごされている事実に地元新潟の株主の動きがあるとのことだ。
以下、引用。

「北越社長が新潟の経済界の支援を求めるのと前後して、地元の中小企業が北越株を買う動きが広がった。
ある製紙代理店は8月10日前後に約三十万株の北越株を取得した模様。米系運用会社は、それを見て買収失敗を確信したという。「地元企業を守りたいという郷土愛もあるのでしょうね」。

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「買収の提案で高い価格を出した投資家が勝てる米国とは異なり、日本は信頼できる株主と認められることが先決。その上で価格の合理性が求められる。」


「地元」「郷土愛」「会社に対する愛着」。
こういった要素が、人の行動に反映される。

王子製紙と合併すれば、北越自体安泰。なぜ、抵抗するのか?が実は理解できなかった。
第三者の目から見れば、取締役のわがままでは?と見えなくもなかった。
しかし、買収防止に地元企業が株式を取得しはじめたという話を知ると、やはり北越を王子にとられたくないと感じていたのは、同業の日本製紙だけではなく、地元の人だったようだ。

製紙業界という大きな目で見ると、北越の規模は小さい。しかし、地元での存在感という目で見ると、なくてはならない企業だったのだろう。
最終的に、小さい会社が生き残るためのキーワードは、「地元」なのかもしれない。