浙江省の温州といえば、商売人の多い地域として有名。特に、近年の不動産投資の中国国内の主役とも言われている。
 この温州人についてですが、イタリアの革製品を作る職人に温州人が多くいます。彼らは温州に帰国し、工場を建設。中国の安い人件費で生産した商品をヨーロッパ向けに輸出することで一財産作った話もある。
 この温州人だが、温州という土地自体に農業等が盛んなわけでも、なんらかの資源が豊富だったわけではなく、結局、人と人のつながりが最大の財産。そういった人たちの中から、職人の腕を磨くためにヨーロッパに行く人がいた。さらに、こういう人たちを頼って、ヨーロッパに行く人がいた。
 
 海外に行くくらいだから、さぞかし教養のある語学力に長けた人なのかと思いきや、何でもほとんどが中卒程度。ただし、勇気とチャレンジ精神ある人材を、地縁・血縁ネットワークで支えることで海外へ送り出していた模様。
 似たような話で福建省のある地域から日本へ大勢の留学生が来ている。
 もちろん、海外へいった人物がすべて成功したわけではないだろうが、基盤となる地縁・血縁がなければチャンスもない。
 
 地域や地方の繁栄には、その土地を飛び出す勇気ある人材の育成とそれを支える地縁・血縁ネットワークが必要なのではないだろうか?