会社が新卒の大学生を採用するとき、人の何を見ているのだろうか?
 どういう訳か、最近の大学生は「資格」「学歴」が採用のキーファクターになると感じている者が多いように思う。もちろん、高学歴、一流大学や難関資格は、その人が合格に向けて努力できる人物であることを示すことは間違いないと思う。
 
 たまたま『日本電産 永守イズムの挑戦』(日本経済新聞社)を読んでいると、採用に関わるページがあった。
(pp.181-182)



「京都大学のA君と五流大学のB君が応募してきた。
 B君は、何年も前からこの会社に入りたくて、母親もB君の出掛けに「頑張ってきてね」と送り出した。
 A君は他の一流企業を次々と落ちたあげく仕方なくこの会社を受けに来た。
 この二人に「採用します」と言ったときにどんな反応を示すか?B君は満面の笑みを浮かべて、すぐに母親にも連絡する。
A君は「こんな会社に受かるのは当たり前だ」という顔をして、実家にも連絡しない。喜びもしない。

 入社したらどちらが働くか?答えはB君。しかし、世の中の大多数がA君を採用する。日本電産はB君を採用してきた。」
 
 日本電産永守社長によれば、「人の能力の差は5倍しかない。しかし、社員の意識、熱意には100倍の差がある。」
 したがって、頭のいい人を採用するよりも、熱意のある人を採用する方が会社が良くなる」とのこと。

 確かに、その通り。実業界の採用の基本的な考え方が、日本電産のようになってきている(なりつつある)中、大学が取り組むことって言うのは自ずと分かってきそうなもの。

(あと、就職する者の立場から言えば、就職した会社のトップが尊敬できる人であるかかどうかかな。熱意をもって働きにきても、経営陣がアホだとやる気も失せる。)